伊藤浩子 Hiroko ITO

伊藤浩子 Hiroko ITO

ボタン式アコーディオン

出身地:
栃木県

 パリ在住の日本人アコーディオニスト伊藤浩子の音楽には、ジャンルがない。彼女の奏でる音を聞くと、アコーディオンという楽器にこれほどの表現力あったのかと驚かされる。パリの街角にいながら、日本の懐かしい風景の中に身を置いているような不思議な感覚。それもそのはず、彼女の目指す音楽は人種も文化も言語も越えたジャンルのない音楽なのだ。ユニット名も「メルティングポット(人種のるつぼ)」。まさしく彼女の言う「いろいろな国のミュージシャンのそれぞれの文化の音が混じり合った音を探求している」のである。

 現在、フランスと日本を年に数回行き来しながら精力的にライブを行っている伊藤浩子だが、ここまでくるのにはアジア人としての偏見をはじめ、乗り越えなければならない壁がいくつもあった。
 1984年、伊藤浩子は単身渡仏し、巨匠ジョエ・ロッシのもと、ゼロからボタン式アコーディオンを習得する。パリで演奏していくなかで、人種や偏見や常識を乗り越えてひとりの人間として演奏する楽しさを知った。彼女の奏でる音に心を動かされるとき、人々は力強く、自由で、それでいて繊細な伊藤浩子の心を感じているのだ。
 その後、彼女は日本人のアコーディオニストとして表現できることを模索する。そして、アコーディオンと和太鼓、大正琴などさまざまなコラボレーションを広げていく。あるときは人形劇とアコーディオンの音楽劇なども企画し、成功を収める。

「世の中の常識や見かけにとらわれてしまうなんてつまらない。自分がどう感じるかが大切」という彼女の夢はパリの広場で、さまざまな人種で盆踊りをやることだそうだ。
彼女の音楽は今、国境も、人種も、言葉も越えて、世界を自由に羽ばたいている。

Profile

伊藤浩子(いとう ひろこ)
栃木県宇都宮市に生まれる。国立音楽大学ピアノ科を卒業後、小林靖宏氏のもと鍵盤式アコーディオンを始める。
1984年、フランスに留学。鍵盤式アコーディオンからさらに高度な技術と音楽性を求めてボタン式アコーディオンに転向。
巨匠、ジョエ・ロッシ氏に認められて師事する。
1990年、全日本アコーディオン・コンテスト優勝。
森繁久弥のミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」に出演。
読売交響楽団との共演。渋谷ジャン・ジャンをはじめ、コンサートツアー多数。
読売テレビ、NHK「ときめき夢サウンド」、東京FM、福岡FMなどに出演。
香港「文化中心劇場」での「ブロークン・エッジ・オブ・ミラー」の音楽担当、ブータン、カナダでもコンサート、フェスティバルに出演。
2000年に「メルティング・ポット」のユニットを立ち上げ、オリジナル溢れる音楽活動を開始。現在パリと東京を拠点に演奏活動を行なっている。
2013年には日本経済新聞文化欄、AERAで特集され、9月にはフランス・チュール市で開催された国際アコーディオンフェスティバルに日本人女性では初めてメインステージを4日間務め、大絶賛を受けた。 その模様はNHK-BS[エルムンド]にて特集された。
2014年3月にサントリーホール小ホールにてコンサートを開催。
世界を舞台に今後も活躍が期待されている。